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むすびに



 今回は、新潟鉋の名跡である「永弘」と「初弘」の系譜について記述しました。これらの名跡の系譜については、今まで私は部分的にしか知り得ていませんでしたので、このように時系列に体系化して調べ書き上げて、大工道具に趣味を持つ人達に広く知ってもらうと共に、私自身にとっても歴史的にその全容をはじめて知ることができ、いま満足しています。

「明治27年勧業博覧会出品 優秀賞授章 加藤鑛山撰出 仕上砥石」
 日本における鉋の歴史は、13世紀ころに出現したと思われる鑿起源の原始的な鉋から、15世紀ころに大きく改良されて、16世紀後半に一枚刃鉋として出現し(実物資料として大阪城出土鉋があります)、それが槍鉋と併用して使われました。17世紀になると木材の平面削りは一枚刃鉋が主流とまりました(渡邊晶著「大工道具の日本史」)。そして、明治時代の後半から大正時代の初め頃に、裏金が付いた二枚刃鉋が登場し、鉋は全盛期を迎えました。

 しかし、昭和30年頃から電動鉋が普及し始めたり、建築工法の大きな変化などにより、次第に鉋が使われなくなり、今日に至っています。

 現在、インターネット上では、昔の鉋から現在の鉋まで、いろいろな職業の人達によって様々な角度から語られ、盛況を呈しています。それに反して鉋鍛冶は高齢化し、事業も厳しく後継者もいないところがほとんどで、減る一方です。

 新潟三条の鉋鍛冶も同様で、これも時代の流れで致し方ないことなのでしょうか。世界に誇る日本の大工道具の中の王様である「鉋」が、多くの鉋鍛冶によって今後も鍛たれ続けることを祈るばかりです。



   平成22年7月吉日
   有限会社 スズキ金物店
     代表取締役 鈴木 俊昭




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