今回は、偶然アクセスしたホームページから、長い間探していた信州鋸の始祖/藤井甚九郎についての史料を知り、それを手に入れました。それにもとづき、大工道具関係の人たちにはまだよく知られていない江戸時代の鋸鍛冶藤井甚九郎を、「江戸の鋸鍛冶名工6代目中屋甚九郎について」と題して本稿で書き上げ、私の大工道具鍛冶研究における目的の一つを達成できました。
信州鋸の始祖藤井甚九郎が江戸では6代目中屋甚九郎であったこと、初代中屋甚九郎が徳川家光時代の晩年に鋸鍛冶を開業したこと、住んでいた住所、高島藩の鋸鍛冶職取締役になったこと、最初に弟子になった人たちの出身地と鍛冶銘、天保14年(1843)に亡くなったこと、息子が父の意志を継いで信州鋸の発展に尽くしたことなどを知り得ました。それによって書き上げることができたのです。但し、「諏訪市史」に藤井甚九郎の経歴を記述したときの出典が明示されていないのが残念です。
尚、突然にお電話したにもかかわらず、こころよく史料をお教え下さったペンション/車山高原レア・メモリーの飯島隆茂氏に心より御礼申し上げます。
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