刃物は、良質な砥石で研がなければ、よく切れませんし、綺麗に削ることもできません。大工道具である鉋・鑿・与岐(斧ともいう)・手斧(ちょうな)・槍鉋・小刀類などもそうです。日本では、研ぎやすい良質な砥石を採掘することによって、これら刃物道具はその機能を効果的に発揮して来ました。
また、古代より良質な砥石は大変重要視され、単に刃物を研ぐ石としてだけではなく、戦いに使う武器を研ぐ石として軍事物資の扱いでした。戦いに行く兵士は、常に小型の砥石を携帯していたそうです。
このように良質な砥石は、刃物にとってなくてはならない極めて重要なものなのです。そこで、日本における天然砥石の歴史を、長い論稿になりましたので、(1)と(2)に分けて語り、大工道具発達との関連について考察してみましょう。以下、敬称は略させて戴きます。
Copyright (C) 2006 Suzuki Kanamono. All Rights Reserved