
        
むすびに
江戸時代から明治時代に渡って、江戸・東京の大工道具鍛冶は、正確な記録として残された史料がほとんどなく、多くが伝聞として伝えられたきました。それらがいつしか通説となって、今日語られています。 |
伝聞は道具愛好家にとってはたいへん面白い話でしょうが、道具鍛冶の歴史をできるだけ正確に後世に記録として残そうとする者にとって、非常にやっかいなものです。伝聞は伝えられていく過程で、時として違って伝えられて行くことがよくあるからです。伝言ゲームを想像して下さい。したがって、伝聞をそのまま信じてよいのかとうかわからなく、史料が発見されると伝聞が覆ることもあります。 |
今回、取り上げた明治40年出版の著書「怪物傳」はそのような史料で、取材した著者も信じるに足りる人ですし、取材した時期や直接本人などに取材していることから信憑性は間違いありません。江戸幕末から明治時代の大工道具鍛冶のことがわかる貴重な史料で、義廣・久作・久弘また当時の職人社会について多くのことを教示してくれます。 |
今までの通説を再検討する史料として、この原稿を当店のホームページ「道具の歴史」欄に載せ、後世に残したいと思います。 |
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平成21年12月吉日 |
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有限会社 スズキ金物店 |
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代表取締役 鈴木 俊昭 |
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