松原家は、かつて刀鍛冶であったそうです。刀鍛冶は、遠い昔より一部の人たち以外は鍛刀だけでは暮らしていけず、刃物道具も造っていたといいますから、松原家もそうであったのでしょう。初代善作が鍛刀していたかどうかは解りませんが、明治9年(1876)の廃刀令のとき、初代善作は27歳でした。
初代善作には、二人の子供がいました。長男が徳太郎(明治22年生まれ)、2歳違いの次男が重次郎(明治24年生まれ)で、幼い頃から父の鍛冶仕事を手伝い、厳しい父のもとで刃物道具鍛冶の修業をしたそうです。この父の厳しさが、のちに名工とか、天才鍛冶とか呼ばれる二人の基礎を作ったのでしょう。
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