沖本論文には、この刃物が日本で造られたものなのか、朝鮮半島から伝来したものなのかについては語られていませんが、ブログ「鍛造の歴史 日本編 日本の鍛造の生い立ち」によると、弥生時代には小さな槍鉋や鏃(やじり)のような鍛造の刃物が造られていたといいます。ここでいう槍鉋とは、古代中国で「削」と言われていた刃物のことですが、このことから、弥生時代の遺跡から出土した槍の穂先のような小さな刃物は、日本で造られた可能性が大と言えましょう。どうして「裏スキ」を付けたのかは、良く削れる鋭い刃に研げるようにしたかったからでしょう。もしかしたら、鏃(やじり)の作成から「裏スキ」は来ているのかも知れません。
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