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むすびに




 日本最古の金槌は、弥生時代後期(1世紀)から古墳時代前期(4世紀)の遺跡とされる長崎県壱岐の「原の辻遺跡」から出土した鉄製の金槌が日本最古のものとなっています。当時の先進国の朝鮮半島から渡来した金槌と言われ、現在の両口ハンマー乃至石頭ハンマーの形態に似ていて、石工職や鍛治職によって使われたのではないかと思われます。

 これ以後、日本でも鉄製の金槌が作られていきますが、大工職の使う「玄能」という金槌が作られたのは、鑿叩き用の金槌として出現した18世紀後半から19世紀前半頃であったのではないかと思われます。それ以前の「源翁」・「玄翁」・「玄能」と漢字表記された金槌は、主に石工職の使う大鉄槌だったと言っていいでしょう。 

現在、大工職の使う「げんのう」をも「源翁」・「玄翁」と漢字表記して大小の形態がありますが、これらは本来の由来からすると誤りで、厳密には大工職の使う「げんのう」の漢字は、江戸時代の終盤頃から広まった「玄能」と言う漢字で表記されるべきであろうと思います。これらの点を多くの人は混同しているようです。


以上の結論に多くの反論もあろうかと思いますが、本稿を契機にこの問題に対して更なる論述展開が深まることを期待します。





   平成23年8月吉日
   有限会社 スズキ金物店
     代表取締役 鈴木 俊昭






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