古墳時代(300〜550)の鋸が、多くの古墳からからいろいろと出土しています。4世紀の古墳から出土した鋸は、鋸身の形が短柵型(長方形の鉄板に鋸歯を付けたもの)の両刃鋸で、鋸身の幅は3p前後、鋸身の長さは30pほどのものもありますが、20p以下の長さが中心です。鋸歯は、小さな二等辺三角形をした押し引き兼用の横挽き目の「素歯」になっているのが数点出土しています。他のものは腐食が甚だしく、鋸歯の形状は確認できません。これらの鋸は、木工用ではなく、鹿角・貝殻などの細工のために使われたのではないかと指摘されています。
|